グリフォセート耐性大豆ミールは従来の大豆ミールと同様の栄養価など
モンサント社製品安全センターの研究グループ(テイラー、ハートネル、ルーカス、ニーマス)、及び、コロラード品質研究所のデイヴィスを含む計5名は、ブロイラーへの42日間の大豆ミール給与試験にグリフォセート耐性大豆(MON 89788)から作られたミールを試験区に使い、対照区にMON 89788同様の遺伝的バックを持っている大豆から作られたミール、及び、レファレンス(対照標準)区として6種類の従来からの大豆品種から作られたミールを使って行いました。
結論を簡単に紹介しますと、ブロイラーへの試験区(1区)の大豆ミールには対照区(1区)、また、レファレンス区(対照標準6区)の大豆ミールと比べ栄養的に同等であるとしています。論文の最終部分での記述でも現在、市場に出回っている大豆から作られた大豆ミールと栄養的に同等であるとしています。
ブロイラー(ロス×ロス308)にスターター用(0〜21日令)にデハル・大豆ミールを配合設計原物中で約33%混入、グローワー・フィニッシャー用(21〜42日令)に約30%混入しており、試験・対照・標準と合わせて8種類の飼料区を使ったランドム・コンプリート・デザイン法、8区はランドムに5ブロックをそれぞれ16ペンづつ(雌8羽、雄8羽)で、ペン当り10羽です。
飼料摂取、体重増加、調整飼料要求率、或いは、測定した屠体と肉品質に関するパラメーターには処置に対する違いはありませんでした(p > 0.05)。全ての成績、屠体と肉品質の測定したパラメーターではMON 89788 大豆ミールを給与した供試鶏区と対照(1区)、及び、従来の大豆ミール(対照標準6区)を給与した供試鶏の集団とには違いがありませんでした(p > 0.05)。
また、今回の結果は1996年にハモンドらが発表した第一世代(40-3-2)グリフォセート耐性大豆のミールを使った給与試験結果と一致しているとしています。これら試験結果は膨大なMON 89788グリフォセート耐性大豆と他の対照用大豆の栄養組成分や非栄養組成分の生物的関連性を分析してもなんら違いがみられないことからも予測されていたとしています。そして、論文の最後に再度指摘している点は、MON 89788大豆から作られた大豆ミールはブロイラーの速い成長、枝肉歩留まりや体組成分のデータからも従来の大豆ミールのそれらと比べて健康的にも栄養的にも同等であるとしています。
論文中の詳細な表5点には、試験・対照・標準対照に使った8区のデハル大豆ミールの原物中分析(%)とアミノ酸(大豆ミールに対しての%)、8区のスターターとグローワー・フィニッシャー飼料配合設計、8区それぞれの飼料分析値、8区のブロイラー(供試鶏)の成績、屠体肉生産量を胸肉、モモ肉、ウイングなどの重量や割合など、同じく成績や屠体肉の部位別生産量や割合を試験区を対照区と標準対照6区合わせた集団としての比較を載せています。詳細に関心のある方は米国家禽学会誌(2007 Poultry Science 86-2608-2614)を参照なさることをお薦めします。
余談ですが、本報告は前述のように1996年のハモンドらの第一世代(40-3-2)の後を追って第二世代(MON 89788)を使って発表したものですが、環境、コスト、従来の大豆と栄養成分や非栄養成分などが同等である点に加え生産者の選択の柔軟性なども考えれば興味ある報告です。俗にアグロバクテリウムを駆使したGMO穀類や作物、この場合、GMO大豆が北米のみならず、南米においても主流になりつつあることは認識すべき事実でしょう。
この試験にも標準対照にする大豆はアーカンソー州ジャクソン群、アイオワ州のクリントン群とジェファーソン群からの一般的に大豆ミール用に搾油される大豆を採集して使っていることや、MON89788グリフォセート耐性大豆を含め、従来のものを含む全ての試験用大豆はカナダ、サスカッチワン州、サスカトーンのPOSパイロット工場で脱ハル、搾油、トースティングなどを行い、それぞれの分析はウィスコンシン州マジソンのコーヴァンス・ラボで行っています。
以前から膨大な試験データは絶えずFDAなどに報告、開示してきていることもさることながら、ブロイラー生産の重要な側面を捉える調査だけでもこれだけ複雑で時間のかかる試験を行っているモンサント社製品安全センターの姿勢には敬服するものです。このようなモンサント社の正攻法による姿勢は自国や他国の関連研究施設や教育機関、関連業界、コンシューマー・セクターに今後とも少なからぬ影響を与えるでしょう(瀬良、2007)。 |