瀬良英介の一般業界向け
飼料・畜産トピックス
2005年5月 (111)
(111)去勢豚のトリプトファン要求量
ルイジアナ州立大とアイオワ州エームス市にある国立養豚研究センターの研究者グループがトリプトファンの去勢豚への要求推定量を最近報告しました。
結論を先に書きますとに次のようなものです。去勢豚体重別のトリプトファン(Trp)と回腸末端での真のトリプトファン消化率「tidTrp(true ileal digestible Trp)」の推奨できる要求推定量は、原物(as-fed basis)で、30kg去勢豚が0.21と0.18%;50kg去勢豚が0.17と0.14%;70kg去勢豚が0.13と0.11%;90kg去勢豚が0.13と0.11%です。
また、研究者グループは、豚の体重が増えるにしたがい、トリプトファン要求量が飼料中のパーセントで表されるとは考えていないとのことで、体重70kgと90kgの豚に対しての要求量は同じでよいと推奨しています。
トリプトファンはグローワー・フィニッシャーの豚に対して必須アミノ酸です。この研究には五つの試験を3回か4回反復で行っており、ポジティブ・コントロール、ネガティブ・コントロール、ネガティブ・コントロール+トリプトファンという形で主原料にとうもろこし、副原料に脱皮大豆ミール、カナダ・フィールド豆、フェザーミールを使っています。また、グローワー前期、グローワー後期、フィニッシャー前期、フィニッシャー後期の順で、回腸末端での真のトリプトファン消化率(tidTrp)が、0.87%、0.70%、0.61%、0.52%で行っています。ここでは個々の詳細は割愛します。
余談ですが、豚に対してのトリプトファンは、ミートミールを使うときに注意が必要です。また、この報告でも原物中の原料分析値は、デハル大豆ミールのトリプトファンが0.68%、とうもろこしが0.06%、また、デハル大豆ミールのリジンが2.96%、とうもろこしが0.25%ですので、とうもろこしと大豆ミールの補完関係が判ります。
この試験で推奨している去勢豚用のトリプトファン要求量は前述の通リですが、詳細に興味のある方は、米国畜産学会誌(J.Anim.Sci.2005.83:1303-1311)を参照なさることをお勧めします。