瀬良英介の一般業界向け

飼料・畜産トピックス

2005年5月 (112)

(112)産卵鶏に加熱全脂大豆を22%レベルまで入れられる

トルコのトラキヤ大とスレイマン・ダミレル大の研究者グループが白色系の産卵鶏(ボーヴァン・ホワイト種、33週令〜42週令、計288羽、各区72羽の6回反復)に加熱全脂大豆を0、10,16、22%レベルで混ぜた飼料給与試験を行いました。


給与試験の結果は次のようなものでした。飼料の摂取量は加熱全脂肪大豆のレベルが0から22%までの四段階で上がるに従い、下がりました。然し、エッグマス(一日一羽当たりのg卵)は上がりました。FCR(飼料効率=飼料g/卵g)は、大豆が10、16、及び、22%レベルで入っている飼料の全てで改善され、1.799、1.804、1.809を示しました。それに比べ、対照くは1.870でした(飼料:卵重比)。加熱大豆試験のいずれも卵殻重、卵殻の厚さ、アルバメンの高さ、ひび割れや破卵割合に影響を与えていません。このことから、加熱全脂大豆を産卵鶏には22%レベルまで与えることが出来ると結論づけました。


試験用の加熱全脂大豆(原物中)の組成分は、乾物が95.06%、粗蛋白質が38.0%、粗繊維が5.1%、エーテル抽出物が20.9%、粗灰分が5.5%、(乾物中)代謝エネルギーが3,524kcal/kg DM。


加熱全脂大豆が0%の飼料では、飼料1kg中、とうもろこしが561.1g、脱皮大豆ミールが20.69g、ひまわり粕が70.0%、大豆油が36.4%、コーングルテン・ミールが0.1g、1魚粉が1.0g、石灰石が9.23g、1リンカルが0.89%、食塩が0.31g、ビタミン・ミネラル・プレミックスが0.5g、dlメチオニンが0.11%、フィターゼが0.02%でした。計算分析値は、2,816 ME kcal/kg、粗蛋白質が17.6%、リノール酸が3.18g/kg でした。


加熱全脂大豆が22%入っている飼料では、とうもろこしが544.5g、加熱全脂大豆が220g、ひまわり粕が110g、コーングルテン・ミールが6.3g、魚粉が10g、石灰石が92g、1リンカルが8.2g、食塩が3.0g、ビタミン・ミネラル・プレミックスが5.0%、dlメチオニンが0.8g、フィターゼが0.2gでした。計算分析値は、2,815 ME kcal/kg、粗蛋白質が17.6%、リノール酸が3.16%でした。


余談ですが、この試験では、加熱全脂大豆の上限が22%ですので、それ以上のレベルでの試験は行っていません。ですから、とりあえずは、そのレベルまでは成績に対してマイナスになる影響は無かったということです。また、エッグマスとFCRは改善されたと報告しています。


卵黄のコレステロール値や脂肪の組成分などの分析は行っていませんが、産卵成績に問題が無かったということですから、一考に価すると思います。


因みに、日本などの高温多湿の夏場ですと、飼料の栄養密度を上げることに関心が持たれますが、加熱大豆であればその点も容易にできますから、このレベルでの社内給与試験をなさるのも面白いかもしれません。


この報告の詳細に興味のある方は、米国家禽学会の2005 J. Appl.Poult.Res.14:32-37を参照なさることをお勧めします。