瀬良英介の一般業界向け 飼料・畜産トピックス 2005年10月 (122)
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配合設計 |
とうもろこし主体の 基礎飼料 |
大麦主体の 基礎飼料 |
原料:乾物中% |
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粉砕とうもろこし |
84.00 |
――― |
粉砕大麦 |
――― |
84.00 |
大豆ミール CP47.5% |
6.75 |
6.75 |
綿実ハル |
7.00 |
7.00 |
尿素 |
1.00 |
――― |
食塩 |
0.20 |
0.20 |
硫酸カルシウム |
0.40 |
0.40 |
炭酸カルシウム |
0.62 |
0.62 |
ビタミン・プレミックス(A) |
0.01 |
0.01 |
微量ミネラル・プレミックス(B) |
0.02 |
0.02 |
モネンシン(C)(ルメンジン) |
+ |
+ |
組成分 乾物中 |
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CP % |
14.5 |
14.6 |
NDF % |
24.5 |
32.2 |
ADF % |
6.0 |
9.4 |
Co, mg/kg (設計中コバルトの含量) |
0.04 |
0.02 |
| 注(A): | 飼料1kg中の供給量:ビタミンAが2,643 IU; |
| ビタミンDが881 IU;ビタミンEが4.4 IU | |
| 注(B): | 飼料1kg中の供給量:亜鉛として30mg、マンガンとして20mg、 |
| ヨウ素として0.5mg、セレンとして0.1mg、銅として10mg | |
| 注(C): | 乾物1kg中の供給量:モネンシンが33mg |
この報告の詳細に興味のある方は、米国畜産学会誌(J. Anim. Sci. 2005. 83:2580-2589)を参照なさることをお勧めします。
余談ですが、ビタミンB12の非常に複雑な分子構造の核には1個のコバルトの原子が付いています。以前は、コバラミン、或いは、シアノコバラミンとも呼ばれていましたが、それはコバルトが付いていたことによります。ビタミンB12は1948年に分離した報告がありますが、その非常に複雑な構造が特定できたのは1956年になってからです。その複雑な構造の4.5%がコバルトの原子1個であるというのがビタミンB12の特徴です。 ビタミンB12は糖新生やメチオニンの体内合成に絡んでおり、また、プロピオン酸形成の代謝にも絡んでいます。高等動物や高等植物はビタミンB12を形成しませんが、微生物が形成しますので、自然界にあるビタミンB12は微生物由来のものが多いです。微生物はかなりの擬似ビタミンB12も形成しますが、その中にはビタミンB12としての活性を持つものと持たないものがありますので、分析で特定するのは難しいです。ビタミンB12は、通常は動物性に由来する肉、肝臓、卵、魚類などには含まれています。
牛の場合、ルーメン・腸管内の微生物がビタミンB12を作るときにはどうしても微量栄養素としてコバルトが無ければビタミンB12の形成ができません。 牛自体はビタミンB12の要求量がありませんが、コバルトがあれば、微生物は充分にコバルトを取り込んでビタミンB12を作ります。コバルト自体は非常に安いミネラルですから、通常は、牛用のプレミックスに適量入っていると思いますが、肉牛肥育用の飼料でコバルトと増体成績の関係などをかなり詳細に調べて報告した北カロライナ州立大学の研究は日本の肉牛の生産者にとっても面白いものであろうと思います。コバルトの要求量は正確には出ていませんが、NRC肉牛(1996年版)にはコバルトの要求量が、乾物1kg中に約0.1mgであるとしています。
米国では、土壌中のコバルトが欠乏している地域はフロリダ州の特に沿岸沿い、北・南カロライナ州の海岸沿いなどの砂土質の多い土壌地帯、また、欠乏すれすれと言われる地域は、ミシガン州、ウィスコンシン州など中北部地帯の一部、ニューハンプシャー州、ニューヨーク州、ヴァーモント州、コネチカット州、ロードアイランド州、メイン州などの東部諸州の一部です。カナダ西部、南アフリカ、オーストラリア、ニュージーランドなども土壌中のコバルトが低い地帯が多いです。そもそもの始まりは放牧中の綿羊などがコバルト欠乏症ではないかと報告したのが、今から70年前でオーストラリアの学者でした。
植物中のコバルトの含有量は、土壌や季節によっても変わることが知られていますが、どちらかと言えば、マメ科植物のほうがペレニアル・グラスなどイネ科植物よりも多いことは知られています。
日本ではありませんが、人間の場合では、以前にビールの過剰な飲みすぎからコバルト摂取による毒性問題を起こしたことがあります。現在では多くの国で禁止されていますが、その昔、ジョッキに注いだビールの泡を長持ちさせるためにコバルト塩をビール製造時に添加していた時代があります。そのようなビールの飲みすぎから心臓疾患による死亡が問題視され報告が出たのが約40年前です。現在のビールではありませんので念のため(瀬良、2005)。