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2004年産米国大豆の品質
トーマス・ブラム博士
チャールズ R.ハーバーグ,Jr.博士
穀物品質試験分析室長 グレン・リプケ氏
大豆のマーケッティングで品質が重要な関心要素であることに変わりはない。本報告では、下記に示した大豆品質に関する諸事項に関する現時点での概要を記したものである:
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2004年産米国大豆の蛋白質、及び、油分組成
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2004年産新穀大豆に至る歴史的生産推移
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2004年産新穀大豆に影響を与えた気象条件
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アジア大豆サビ病(菌)、及び、米国産大豆に与える影響の可能性
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大豆生産者、及び、米国の処理業者による品質改善に関するプログラム
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ASAが予算化した積み出し大豆のFM(夾雑物)に関する調査、及び、
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低リノレン酸大豆の生産
本報告の数値や分析値は、顧客が米国産大豆を調達・利用するにあたり、役立てて頂くための情報である。
品質調査
1986年よりアイオワ州立大学(ISU)とアメリカ大豆協会(ASA)は収穫した新穀大豆の品質に関して調査を行ってきた。米国で大豆を生産している諸州(30州)の大豆生産者は、郵送による調査依頼にしたがい2004年産大豆の分析用検体を提供した。2004年11月5日までに受け取った検体は、蛋白質と油分含量についてインフラテックNIR器(Foss North America, Eden Prairie, Minn.)を使って分析した。米国産大豆の収量や物性上の品質(USグレード要因)などに関する数値は他の出典より得た。数値は州と州をまとめた地域(region)に分けて示した。また、2004年産大豆の生育期間中の気象条件も収集し、大豆組成分に対しての影響を示した。
2004年産米国大豆
米国農務省の2004年10月12日付け生産見積もりによれば(USDA, 2004)、米国は2004年に31億700万ブッシェル(8千470万メトリック・トン)の大豆を生産した。これは2003年産に比べ27%増であり、最高の生産記録である。大豆の平均収量は1エーカー当り42.0ブッシェルで、2003年産の33.9ブッシェルより高く、1986年以来最も高いエーカー当り収量であった。推定大豆収穫面積は7400万エーカー(2990万ヘクタール)であるが、これは2003年に比べ2%増である。表1に2004年産大豆の生産統計概要を州単位、及び、生産地域単位で示した。生産増はいずれの大豆生産地域でも起きた。
組成分の数値は表2に示した。2004年産米国大豆の蛋白質と油分の平均含有割合は、それぞれ35.16%、及び、18.70%(水分13%ベース)であった。米国大豆の長期に渡る蛋白質の平均値、35.40%、及び、油分の平均値、18.61%に比べ、蛋白質は約0.2%単位低く、また、油分は約0.1%単位高かった。2004年産米国大豆からは、水分13%ベースの大豆1ブッシェル当り平均43.0ポンドの蛋白質(CP48%、)大豆ミール(注:脱皮大豆ミール、デハル大豆ミールとも呼ばれる、瀬良)、及び、10.9ポンドの油分を取ることが出来る。変動(標準偏差=SD)については、州内、地域内、及び、全米で捉えたとき、長期の変動についての平均とほぼ同等であった。
2004年の天候
生産地域全般にわたっての天候は、大豆生産には一般的にいって理想的であった。作付けも発芽も去年に比べて充分に早かったし、4年間の平均で捉えても同等かそれ以上に良かった。5月末と6月始めの濡れた状態(wet conditions、注:多雨や豪雨、場合によっては、水害などで土壌水分が多すぎた状態、瀬良)についての懸念があったが、大豆の作柄は良かった。去年の旱魃の状態は完全に取り除かれており、大豆の生育期間中、水分は充分にあった。また、気温も大豆の発育には理想的であり、季節全般を通して過剰な暑さや涼しさ(注、極暑や冷夏、瀬良)は無かった。ほとんど全ての大豆生産地域がよい生育状態であったということは珍しい。
8月20日にミネソタ州、北ダコタ州、南ダコタ州、更にアイオワ州の北部においても霜がおりた。これらの地域においての大豆作柄に何らかの悪影響が出るのではないかという懸念が若干あったが、それは当てはまらないように見受けられる。寒さの状態は限られた地帯(注:ローカル的に起きた狭い範囲)で起きており、恐れられたほどには広範囲で起きなかったことに加え、寒さが持続しなかった。一般的には、さやがまだ青い場合は、−1℃から−2℃、黄色いさやの場合は、−3℃から−4℃、茶色のさやの場合は−15℃かそれ以下でも耐えられる(Brolley, 2004)。
いくつかの大豆生産地域では、10月に濡れた状態(wet conditions、注:多雨や豪雨、場合によっては、水害などで土壌水分が多すぎた状態、瀬良)に見舞われた。収穫待ちの大豆の乾燥は止まり、場合によっては、水分を吸収した。天候が良いところの大豆は品質に問題が起きない程度に充分に乾燥が進んだが、そうではない大豆(水分が12.5%以上)も収穫された。過去の購入契約で水分を高めに明記(例:14%)し、全体的に乾燥した大豆の利点を求めたバイヤーは、今年の購入にあたっては注意したほうがよい。
歴史的にみた成績
大豆の収量と作付け面積は1990年代に滞りなく伸びたが、近年は、安定してきているように見受けられる。然し、2004年産新穀は1990年代の傾向に戻った。これは、大部分の大豆生産地域における生育条件が良かったことによる結果である。
表3は米国農務省の生産統計と組成分に関する調査結果を合わせている。収量、蛋白質、及び、油分の数値は図1のグラフに示した。1990年代、収量は年間1エーカー当り0.5ブッシェルづつ増加したが蛋白質と油分の平均値の変化はほとんど無かった。2004年産大豆の収量は大きく増えたが、蛋白質と油分のレベルは過去の歴史的平均に近いものであった。育種段階のプログラムは収量を続けて強調しているが、品質のロスは明らかに起きていない。結果として面積単位当りの蛋白質と油分の生産量は変わりなく伸びている(図2)。消費する側から見た場合、これは順調により多くの供給を同じインプットから得ていることになる(土地、種子、肥料、その他)。
図3は調査の中での蛋白質と油分測定の長期にわたる変動(標準偏差)を示している。2004年は2003年に比べ相対的に下がった。長期にわたる標準偏差の平均は、蛋白質については1.50%単位、油分については0.88%単位であった。2004年の変動は長期の平均よりほんの僅か上であった。蛋白質と油分の標準偏差の比率は2003年から大きく変わらなかった。二つの組成分の相対的変動はほぼ同様であった。
米国農務省のGIPSAは輸出大豆の公的検査からの結果をまとめている(GIPSA, 2004)。公的検査は一連の物性要因を基にグレード(Grade)を定めるが、要請があれば、蛋白質と油分含量も報告する。歴史的数値は表4に示した。検査の大部分(92%以上)は2003年産U.S. No. 2大豆に対してであった。米国産輸出大豆のFM平均値が下がってきているということを示唆する形跡は見られる。2003年産大豆のFMが1.4%であったが、それはこの10年で最も低い。GIPSAの組成分測定値(蛋白質と油分)は、ASA−USB−ISU(アイオワ州立大学)の品質調査数値と一致する。このことは、輸出大豆は一般的に米国産大豆の平均だということである。
GIPSAの数値は輸出地(積み出し港)で分けてはいない。ガルフ・サウス(ガルフ・南部)の諸港は一般的にはミシシッピー・オハイオ・イリノイ・ミズーリ河システムに沿ったコーンベルト諸州からの大豆を受けている。パシフィック・ノースウエスト(太平洋・北西部)の諸港は、調査の中でコーンベルト西側に分類されている諸州の大豆を受ける場合が多い。いずれの港においても輸出大豆の品質は、その港へ出荷している生産地帯の品質を反映している。過去19年間にわたる調査期間で、米国で生産される大豆のうち、コーンベルト西側で生産された大豆の割合は徐々に増え、約40%から丁度50%を越すに至った。この変化は潜在的に低たんぱく質含量の地帯へと移行しているのである。生産地帯の地理的変化が起きているという全体像の中で捉えたとき、米国産大豆の蛋白質と油分の平均値が一定であることを示した前述の数値は信望の点から真に評価できることである。
図4は大豆の処理に関するチャートであるが、蛋白質が47.5%から48.5%の大豆ミールをつくるときの大豆の蛋白質と油分含量の組み合わせを示している。1997年に一度だけ米国大豆は明るい陰をつけた最適な部分の左側に位置した。個々の州や地域では、往々にして48.5%ミール以上という部分のずっと右側に位置している。そして、米国大豆の平均は通常、この最適な部分(注:脱皮大豆ミールがつくれる大豆の蛋白質と油分含量レベルの組み合わせを示した部分、瀬良)の中央に位置している。2004年産米国大豆の平均は、19年間の調査期間の平均に近い。
アジア大豆サビ病(菌)
米国の大豆生産者は最近アジア大豆サビ病(菌)が発生する可能性に関して懸念を示している。この大豆の病害は北米以外の大豆を生産している世界各地に存在している(図5)が、米国にはごく最近発生した。本年11月10日に米国農務省はルイジアナ州でアジア大豆サビ病の存在を確認した。ブラジルやアフリカでは、病害がありながら対策を講じていなかった畑(infected and untreated fields)での収量低下は最大80%にも及んだという報告がある。
アジア大豆サビ病(Phakopsora pachyrhizi)は、菌による病害であるが、葉が落ちるのが早く、さやのつき、さやの入り(実の入り)、大豆の品質や収量を下げてしまう(ISU, 2004a)。胞子が一日に10から20マイルぐらいは風にのって広がるのである。大豆種子そのものが胞子を広める主な理由ではない。30種類以上のマメ科植物がこの菌の宿主になりうるが、最も顕著なのは米国南部全域で見られる侵略的な種類(注:invasive、増殖、繁茂して広がる強い植物、瀬良)のクズ(葛)(Pueraria lobata)である。伝染の酷さと結果として起きる収量低下の度合いは、大豆がどの時点で感染したかということとの兼ね合いである。つまり、感染が大豆生育の早い時点で起きれば起きるほど、その悪影響は酷い。大変に難しいのは、この病害を的確に診断することであるが、その理由は、それほど悪性ではない他にあるいくつもの大豆の病害と症状が似通っているからである。畑がアジア大豆サビ病に侵されると、その広まり方(増え方)は早く、僅か数日で主な悪影響をもたらすことになる。
胞子は大豆の主な生産地域である寒い冬の気候環境を生き延びることはできない。したがって、米国大豆に持続的な感染が起きるとすれば、それは、毎年、温暖な地域から胞子が(風にのって)移動することが必要である。専門家は、より熱帯的な地域での大豆生産で起きているような収量減が米国産大豆では先ず起きないであろうと信じている。また、中西部の畑で感染した場合でも収量減が80%にもおよぶというような多大な収量減は先ず起きないとしている。感染が(中西部の)大豆生育の早い時点では起きないからである。
現在、広範囲にわたって現存する品種や外来種細胞からサビ病に耐性のあるものを選び出そうと広範囲、且つ、膨大な努力が払われている。然し、伝統的な育種方法やバイオテクノロジーを駆使しての方法を使っても、未だにサビ病に耐性を持った大豆品種を得ていない。この病害と戦う今日あるただ一つの方法は殺菌剤を施すことであるが、これは米国では一般的には行なわれていない。大豆に有効な殺菌剤はいくつか有る。ブラジルの大豆生産者は、この病害を抑制するために、通常(ルーチンに)、彼らの大豆には散布している。この処置のコストはエーカー当たり約25ドルである。
米国での影響は世界の他の大豆生産地域での酷い影響よりも遥かに軽いということが判っていても、米国の大豆産業界は大豆サビ病の脅威を非常に重大に受け止めている。早期発見は病害の影響を制限する鍵である。米国農務省の機関である動植物健康検査サービス(Animal and Plant Health Inspection Service = APHIS, USDA)、個々の州、そして州立大学(注:land grant university = 「土地を貸し与えられた大学」 は、古くは、それぞれの州の農家に貢献する農業教育、実践的な研究と普及の三本柱を推進させるために連邦政府が広大な国有地を貸し与え、農学部を併設させた大学のことで日本の県立大学よりも国立大学に準じる、瀬良)は研究と早期発見のプログラムを用意している(APHIS, 2004b; ISU 2004a; 及び、ILDA, 2004)。多くの州では、感染確定に対応するための緊急対処計画を策定している。
生産者、及び、処理業者のプレミアム・プログラム
米国国内いくつかの会社は、米国国内での大豆市場で蛋白質と油分含量を改善するためのインセンチブ(動機付け)を導入している。少なくとも大豆処理業者の4社が、アグプロセシング社(AgProcessing Inc. = AGP)が始めたことを追従し、高い組成分レベルに対して何らかのプレミアムを提供している。AGP社のプレミアム・スケール(プレミアムの段階表)は、過去2年に渡り論文に記述した(Brumm and Hurburgh, 2002; Hurburgh, 2001)。AGP社のプレミアム・スケールは前回の論文と講演で解説した(Brumm and Hurburgh, 2003; Hurburgh, 2001)。AGP社のプレミアムは油分が平均より高いときに支払われるものであるが、加えて、油分と蛋白質の双方が平均より高い場合は、蛋白質に対してもプレミアムが支払われる(AGP, 2004a)。その他に承認された品種のリストがあり、生産者は単一品種をIP保管(IPハンドリング)でAGPが指定したところに出荷した場合は、1ブッシェル当たり最低5セント($0.05/bu minimum premium)のプレミアムが得られる(AGP, 2004b)。コンソリデーテッド・グレイン・アンド・バージ(Consolidated Grain and Barge)は、AGPと同じプレミアム・スケジュールを使っている。
他の処理業者三社も同様のプログラムを使っている。CHS(Cenex Harvest States Cooperatives)は、契約生産になっているアスグロウ社(Asgrow)の二品種については、1ブッシェル当たり最低5セント($0.05/bushel minimum premium)のプレミアムを払っている(CHS, 2004)。生産者は蛋白質/油分プレミアム・スケジュールにより、更に高いプレミアムを得ることができる。ミネソタ・ソイビーン・プロセサーズ(Minnesota Soybean Processors)、及び、サウス・ダコタ・ソイビーン・プロセサーズ(South Dakota Soybean Processors)の双方は、品質プレミアム・プログラムを提供しているが、これは、蛋白質と油分含量をベースにしたプレミアムである(MnSP, 2004; SDSP, 2004)。表5にプレミアム・スケジュールの概要を示した。
プレミアム・スケジュールは全部同じではない。あるスケジュールでは水分13%ベースが使われ、他のスケジュールでは原物中水分(as-is moisture)が使われている。台湾は蛋白質と油分のレベルを水分13%ベースで明記している(表5)。プレミアム・スケールの違いやスペックの違いは、安定した長期の目標が必要な植物育種関係者(ブリーダー)や扱い業者(ハンドラー)に難しさをもたらしている。品質に関して表面的に矛盾するようなサインが出てきた場合、ブリーダー(大豆育種関係者)は、いつも収量のみを強調するような選択をする。
バラエティ(品種)リストを使う利点は、搬入する大豆をその都度検査する必要がないからであるが、それは、リストに載っている品種であれば、その年の平均を常に上回ることを想定しているからである。バラエティの試験データはそのような想定を裏付けているが、それは年ごとの全体的な天候の変化がどうあれ、バラエティの相対的な順位付け(ランキング)は変わらないからである。いずれにせよ、処理業者の意図は、購入する大豆の全体的な組成分向上にある。処理にあたっては(注:搾油工程、瀬良)、高蛋白質、及び、油分、或いは、双方とも高い大豆を分別する必要はない。溶剤抽出(搾油)工場においては、処理原料全体のバランスの中で蛋白質と油分を回収するからである。
ユナイテッド・ソイビーン・ボード(United Soybean Board = USB)は、大豆の組成分や組成分の測定方法の改善に対して生産者の意識を更に喚起するために二つのプログラムへの活動資金提供を続けている。「収量と品質を選ぶプログラム=SYQ」(The Select Yield and Quality Program = SYQ)は、西コーンベルトの生産者をターゲットにしたものであるが、収量を一定に、或いは、収量を増やしながら、組成分の改善の可能性がもたらす利点を理解して貰うための教育啓蒙プログラムである(USB, 2004a)。SYQは、活字やメディアを通しての教育プログラムであるが、処理業者(プロセサーズ)に対しては組成分を価格設定方針(注:原料買い付けにあたっての個々の業者の価格設定、瀬良)に組み入れることへの利点を示し、生産者に対しては収量の損失なく組成分が改善できる可能性について啓蒙教育をしている。更にUSBは生産者に対して、組成分の改善を価格の動機付けの有無にかかわらず(注:プレミアムの有無に関係なく、瀬良)行うことは米国大豆の競争力の観点からも利点があることを啓蒙しているが、これは南米の大豆生産地域がより赤道に向かって移行していくこと、換言すれば、南米の大豆の蛋白質がおそらく高くなっていくであろう背景を考えている。主に強調している点は品種の選択であるが、広範囲な生育条件下において、少なくとも蛋白質が35%、油分が19%が水分13%ベースで取れるような品種を選択することを勧めている。このような情報を支持するための価格動機付け(プレミアム)が広まらない限りSYQの長期にわたる成功は不確定である。米国国内の処理業者(プロセサーズ)が提供しているプレミアム・プログラムはSYQの考え方を支持しているが、これは米国国内で処理される大豆のみについてである。
付加価値のある大豆組成分の特質を確認し、開発し、コマーシャル化していく過程の中で、USBは、クオリソイ(QualisoyTM :TM = 商標登録済)を制定するために、種子会社から処理業者にいたる大豆産業界の関係者と作業を展開した。クオリソイ(QualisoyTM )・プログラムはベタービーン・イニシャチブ(Better Bean Initiative)の活動を通して得られた大豆品種で、組成分が改善された大豆品種であることを保証するものである(USB, 2004b)。クオリソイは最終的に油分やミールの価値が増す大豆品種の特質を定義付ける(明確化する)ものであるが、このイニシャチブを作るにあたっては食品、飼料、及び、種子産業各界の努力と働きがあっての結果である。
クオリソイ(QualisoyTM )プログラムから派生して出来たのがSQT(Soybean Quality Traits)と呼ばれる分析関係の活動である。公正取引(Fair Trade)は分析手法が、一律に適用され(uniformly applied)、且つ、専門的に認められた(professionally accepted)手法であることを要求している。例えば、市場によってはGIPSAの油分と蛋白質の数値を認めていない。何故ならば、GIPSAのNIR(近赤外線)カリブレーション(目盛り定め、検量)は、AOCS/JOCS審査済みの参照手法(refereed AOCS/JOCS reference methods)に準じていないからである。違いはわずかであり、GIPSAの分析値は船積みにさいしての荷(大豆)の均一性に対して、より大きく(広く)管理することを可能にする。SQTプログラムは、AOCS/JOCSによる検査数値を購買契約のスペックとして入れている場合、米国農務省の公的GIPSAの分析結果(Official USDA GIPSA results)を合わせて使えるようにする方法を模索し、それに向けて努力している。
FM(夾雑物)に関する調査
アメリカ大豆協会は米国産大豆に含まれるFM(夾雑物)の量と種類を調べるためにアイオワ州立大学に対して調査研究費を供与している。若干の逸話的な指摘から(anecdotal evidence)、ラウンドアップレディ大豆(Roundup ReadyTM soybeans)が出現してからの過去10年間でFMの組成が変わってきていることが示唆されることである。似たような調査は過去にも実施されており、最近では1994年の調査がある。今回の調査も前回の調査に積み重ねるように計画されており、現在のマーケットの状態に対してのアップデートである。この調査結果が発表できるのは2005年10月を予定している。
このプロジェクトの目的は、生産農場から輸出エレベーターに至るまでの大豆マーケット・チャンネルの種々の段階において、FMの組成や含有量を分析するものであるが、それは、より競争力のある(低FM)大豆の効果的、且つ、効率的な輸出が可能かどうかを調べることにある。
2004年産大豆の公的な検体は、内陸の三箇所と輸出検査を行う三箇所で採取し、手作業で8項目(大豆、大豆のかけら、雑草種子、土、植物の部分、さや、とうもろこし、及び、その他)に分類する。カントリー・エレベーターでの大豆FMに関する会社の数値も集められる。GIPSAとカントリー・エレベーターからの時間を追って(time series FM data)のFM数値も分析する。1994年の調査で使われたFMができ、そして、クリーニングされる過程のモデルは現在の状況に合わせてアップデートされる。輸出契約の条件や内陸での価格割引の実態調査も行う。全ての数値はFMの影響が大豆生産者とバイヤー双方に肯定的に働くか否定的に働くかを見極めるのに使われ、否定的な影響を減らすためのアクション計画を提案する。
低リノレン酸大豆
トランス型脂肪酸は、いくつもの国において健康面からの懸念事項として増加してきている。通常、油は多価不飽和脂肪酸の量を相対的に減らすために水素添加がされているが、特にリノレン酸の場合、油の酸化の影響を少なくするために(より安定させるために)、そして、融点を変えるため(より固形にするために)行われる。この水素添加処理の工程でトランス型脂肪酸が出来てしまうが、これは人間の健康にとって飽和脂肪酸と同様のマイナスの影響があると考えられている。2006年1月より米国の食品メーカーはトランス型脂肪酸の量を全製品についてラベル表示せねばならない。米国・食品・医薬品管理局(U.S. FDA = U.S. Food and Drug Administration)はトランス型脂肪酸に関する数多くの情報源の一つである(FDA, 2004a)。
いくつもの組織が低リノレン酸大豆の開発を行い、また、啓蒙を行っているが、多くの利用にあたっては水素添加を必要としない。モンサント社は、ビスティブ(VISTIVETM )低リノレン酸大豆を開発したが、これはカーギル社で処理される。彼らは2005年にビスティブ(VISTIVETM )をアイオワ州で5万エーカー契約栽培することを予定している。アイオワ州立大学は永年にわたり脂肪酸量を変えた大豆の開発に携わってきているが、低リノレン酸品種類の契約栽培を許可した。表6にそれら二品種についての脂肪酸組成を載せたが、リノレン酸含量は約1%である。
低リノレン酸大豆は、通常、IPシステムの中での契約栽培である。2003年に支払われたプレミアムは1ブッシェル当たり35セント($0.35/bushel)であるが、これはミシガン州ジーランドのジーランド・ミルス社(Zeeland Mills, Zeeland, Michigan)が低リノレン酸大豆の生産、分別扱いと分別保管に対して生産者に支払ったプレミアムである(UIUC, 2004)。
概要(サマリー)
2004年産米国大豆は平均より僅かに低い蛋白質(35.2%)、及び、平均より僅かに高い油分(18.7%)を示した。蛋白質と油分の変動は2003年よりも低く、また、長期にわたる変動の平均に類似していた。収量と総生産量は最高記録を示したが、これは主に生育条件が良かったからである。米国の数多くの関係グループは、教育啓蒙、価格プレミアム、及び、検査を通して大豆の品質を改善する努力を続けている。大豆サビ病は北米では出ていなかったが、米国農務省が11月10日にルイジアナ州で確認した。米国政府機関、州政府機関、大学関係、生産者団体はいかなる発生に対しても対応するアクション計画を用意している。米国でのトランス型脂肪酸に関する健康上の懸念に対応するべく低リノレン酸大豆品種が生産され処理されている。
(論文翻訳・文責:瀬良)
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出典:米国農務省 (2004年10月12日)
| WCB:西コーンベルト: |
アイオワ、カンサス、ミネソタ、ミズーリ、ネブラスカ、北ダコタ、南ダコタ |
| ECB:東コーンベルト: |
イリノイ、インディアナ、ミシガン、オハイオ、ウイスコンシン |
| MDS:中南部: |
アーカンソー、ケンタッキー、ルイジアナ、ミシシッピー、オクラホマ、テネシー、テキサス |
| SE:南東部: |
アラバマ、フロリダ、ジョージア、北カロライナ、南カロライナ |
| EC:東沿岸: |
デラウェア、メリーランド、ニュージャージー、ニューヨーク、ペンシルバニア、バージニア |
地域:諸州名など表1に準じる
検体数
蛋白質:%平均、標準偏差
油分:%平均、標準偏差、
13%水分ベース
出典:米国農務省(USDA)、及び、アイオワ州立大学(ISU)
蛋白質と油分含量は水分13%ベース
2004年収量データは2004年10月12日時点での推定
2004年蛋白質と油分データは2004年11月5日時点
GIPSA輸出検査データ、ISU調査データ
出典:USDA/GIPSA=Grain Inspection Packers and Stockyards Administration Iowa State University
蛋白質と油分は水分13%ベース
暦年、作物年度、No.2黄色大豆%、水分%、FM%、ダメージ粒%、蛋白質%、油分%
ミネソタと南ダコタ大豆プロセサーズ
油分(%)、プレミアム $/ブッシェル、蛋白質(%)、プレミアム $/ブッシェル
アグプロセシング、コンソリデーテッド・グレイン・アンド・バージ
油分(%)、プレミアム $/ブッシェル、蛋白質(%)、プレミアム $/ブッシェル
台湾スペック(最低値)
油分(%)、蛋白質(%)
品種:従来の品種で同じ条件下で生育した
脂肪酸(油分中の%)
パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸
縦軸:収量、蛋白質、油分 13%水分ベース
横軸:年次、収量(エーカー当りブッシェル)、蛋白質(%)、油分(%)
収量の傾向(トレンド)
縦軸:エーカー当りポンド
横軸:年次、蛋白質、及び、油分棒グラフ
縦軸:標準偏差と比率
横軸:年次、蛋白質標準偏差、油分標準偏差、蛋白質と油分標準偏差の比率
縦軸:大豆油分(%)(水分13%ベース)
横軸:大豆蛋白質(%)(水分13%ベース)
| 明るい陰の部分: |
47.5%〜48.5%の大豆ミールが作れる |
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それより左側は47.5%ミールが作れない |
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それより右側は48.5%以上のミールが作れる |
| 取れる油分量: |
ブッシェル当たり12ポンド(200kg/MT) |
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ブッシェル当たり11ポンド(183kg/MT) |
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ブッシェル当たり10ポンド(167kg/MT) |
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