アメリカ大豆協会

品質レポート
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2007年産米国大豆の品質

セス L ネイブ博士
ジェームス H. オーフ博士

概要

アメリカ大豆協会およびアメリカ大豆輸出協会は、1986年から米国産大豆の品質調査を支援している。この調査は、海外顧客を対象として翌年の買い付け時の参考にしてもらうための新穀の品質データを提供することを目的としている。

2007年の作付面積、収量、総生産量

米国農務省農業統計局(USDA-NASS)の2007年10月12日の作柄報告によると、米国における大豆の総作付面積は、昨年より16%減の2,540万haになると推定される。平均収量も2006年を下回る見込みで、米国産大豆の総生産量は、わずか7,080万トンになるものと見られる。この予測どおりであれば、6,670万トンという壊滅的な2003年の生産量を若干上回るに過ぎず、2004〜2006年の平均生産量8,500万トンからは大幅な減少となる(表1)。

2007年の米国産大豆の品質

2007年8月24日までに、生産農家9,193戸にサンプルキットを送付した。生産農家は、回答の分布が大豆の生産にほぼ合致するよう、各州の大豆生産の総作付面積をもとに選出された。2007年10月31日までに1,685件のサンプルを受領した。これらのサンプルは、Perten社がミネソタ大学と共同で開発した検量方程式が組み込まれたダイオードアレイ装置DA7200(スウェーデン、フッティング)を用いた近赤外線分光法(NIRS)で、タンパク質と油分の含有量が分析された。地域および全国のタンパク質の平均値は、より正確に全体を代表するよう、州および地域における大豆生産量で加重平均することにより決定した。結果を表2に示す。

「夾雑物(FM)は、8/64インチ(3.2 mm)の丸い穴の篩を容易に通過するすべての物質および篩上に残った大豆以外のすべての物質と定義する」とした連邦穀物検査局(FGIS)の基準に従い、各サンプルから大豆以外の物質を篩にかけ、手で摘むことにより、FMを推定した。この分析では、割れ豆や破砕した大豆は考慮しなかった。夾雑物は単に割合のみで示した。種子重量は、各サンプルから1,000粒の種子の重さを量ることにより推定した。FMおよび種子重量の概要を表3に示す。

海外の顧客の中には、米国産大豆の可溶性糖分の含有量に関心を示した業者がいる。従来の湿式化学分析やNIRSといった技法では、可溶性糖分を正確に定量するのは困難である。州別の総大豆生産量を反映するようサンプル(41)のサブセットを無作為に選定し、ミズーリ大学の分析実験室で高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いて可溶性糖分含有量を分析した。結果を表4に示す。

1.アメリカ大豆協会およびアメリカ大豆輸出協会対アジア品質ミッション(2007年11月8〜19日)用資料

2.ミネソタ大学(ミネソタ州セントポール)作物/植物遺伝学部 助教授/教授

タンパク質と油分の分析結果について

全体的な米国産大豆のタンパク質と油分の平均含有量は、2006年の品質調査結果に類似していた。2006年と比較して、2007年の米国産大豆は、平均タンパク質含有量は35.4%で0.9%高く、平均油分は18.7%で0.5%低かった(表5)。地域別分析では、油分が約0.5%単位低かった一方で、地域のタンパク質含有量は1%単位近く高い傾向があったことを除き、2006年とほぼ同じ傾向が見られた。

異物の調査結果について

サンプル中に認められたFMの割合は、平均して非常に低かった。1,685戸の農家が収集したサンプル中のFMの割合は平均0.37%で、全体の範囲は0〜28%であった。1,685件のサンプルのうち、1,611件はFMが1%未満で、1%を超えたのは74サンプル(4.4%)であった。 FMが2%を超えたのは、わずか23サンプル(1.4%)に過ぎなかった。南部諸州で収穫されたサンプルのFM含有量は平均より若干高い傾向があったが、2%を超えるFMを含むサンプルはすべての地域で認められた。

粒のサイズについて

粒のサイズから生産シーズン中の環境条件に関するある程度の情報が得られる。粒の大きさは、環境条件によるタンパク質および油分含有量における変化と関連する可能性もある。一般に、登熟期初期(7月後半および8月前半)における旱魃などの環境ストレスにより、個々の植物体の種子数は減少する傾向があり、その後環境条件が正常に戻ると、残りの種子は大きく成長し、平均的なサイズより大きくなる可能性がある。また、登熟期の終わり(8月後半〜9月)にストレスがかかると、各種子の利用可能なエネルギーが減少し、粒のサイズは平均より小さくなることがある。

2007年には、粒のサイズは、東海岸諸州に加え、アイオワ北部、ミネソタ南部、ウィスコンシン、ミシガンで最大となる傾向があった。米国の大豆生産地域のうち南部地域全体ではサイズは小さい傾向があった。2007年に北部諸州で見られた種子の大型化は、この地域で発生したシーズン半ばの旱魃によると考えられる。シーズン後半の降雨により、各圃場に残った少数の種子は十分成長し、大きくなることができた。南部諸州における種子の小型化は、これらの地域で認められたシーズンを通じた旱魃によると考えられる。

可溶性糖分の分析結果について

すべての可溶性糖分の値は、サンプル間で大きな変動が確認された(表4)。これは、地域の環境条件が、重要な可溶性糖分の相対的含有量の決定に大きな役割を果たす可能性を示している。サンプルには、平均でスクロース39.4 mg/g、スタキオース34.6 mg/gおよびラフィノース7.6 mg/gが含まれていた。南部諸州では、スクロースおよびスタキオースの含有量は低く、ラフィノースの含有量は高い傾向があった。これと同じ傾向が2006年の調査でも認められた。

中西部の気候の概要

3月下旬の気温は平年よりかなり高かったが、4月の平均気温は中西部の大部分で平年を下回った。4月初旬の平均気温は7〜11℃で、中西部全域において平年を下回った。ミネソタ州では、4月第1週に春の吹雪に見舞われ、第3週にはにわか雨および雷雨の形で、週平均で平年の2〜3倍の降水量があった。中西部の様々な場所で、4月を通して春の洪水が続いた。

5月の平均気温は、中西部のほぼ全域で全般的に平年を上回った。降水量は全般的に平年より多く、ミズーリ中北部およびアイオワ南西部全域で洪水が発生し、作付けが遅れたが、全般的な作柄への悪影響はなかった。ミズーリ、ケンタッキー、ミネソタ、ウィスコンシンおよびオハイオの一部では適度な日照りが続き、これは作付けに大きく役立った。

6月の降水量は、月の前半には中西部の多くの地域で平年を下回ったが、この地域の大部分では、6月後半の降雨によりトウモロコシおよび大豆の生育に対する懸念が緩和された。しかし、ケンタッキーの大部分およびオハイオ南部は激しい旱魃に見舞われた。6月の気温は、全般的に平年並みであった。

7月は例年になく涼しく雨量も少なかった。中西部地域のほぼ75%で旱魃が発生した。この地域(アイオワ、イリノイ、インディアナ、オハイオ、ケンタッキー)の一部では、月後半に恵みの雨があったが、ミネソタ、アイオワ、ミズーリおよびウィスコンシン地域では降雨がなく、7月としては記録史上最も深刻な旱魃となった。

8月には、中西部の北と南の3分の1が激しい旱魃に見舞われたが、残りの3分の1の中央部では記録的な降水量となり、大規模な洪水が発生した。イリノイ南部、インディアナ中西部の南から南部にかけて、ケンタッキー、オハイオの一部地域では最高気温が記録された。

9月の中西部の気温は、平年並みや平年をかなり上回るなど、変化が激しかった。冷涼な地域には降雨があり、温暖な地域では降雨はなかった。中西部の北半分では、ほぼ記録的な降水量により旱魃が緩和されたが、中西部南部の旱魃は続き、再び北部のイリノイ、インディアナおよびオハイオへと広がり始めた。気温は地域の大部分で平年を上回ったが、記録的というほどではなかった。

全体として、シーズン半ばの旱魃は、その他全ての気象現象以上に大豆の収量に大きな影響を与えた。これにより、ミネソタ、アイオワ、イリノイ、インディアナおよびミズーリなど、主要大豆生産州における収量は大幅に減少した。

南東部諸州における旱魃

米国の個々の生産者にとって最も深刻な生産上の問題は、米国南東部で起こった激しい旱魃で、シーズンを通して(特にシーズン後半に)大豆の収穫に影響を与えた。旱魃は、テネシーやケンタッキーといった中南部諸州と同様、ノースカロライナ、バージニアおよびメリーランドの東部諸州の収量にも重大な影響を及ぼした。これらの州では、昨年と比較して、収量の3分の1の減少が予測され、全生産量は43%の減少が予測される。

大豆サビ病

大豆サビ菌(Phakopsora pachyrhizi)は、南米で収量に多大な損失もたらすものとして知られている大豆の真菌性病原体である。サビ病が米国本土で最初に報告されたのは、2004年11月である。サビ病は胞子で広まるが、越冬するには生物宿主を必要とする。米国では、フロリダとテキサス最南部の広い地域でクズ(葛)に付着して越冬することが知られている。商業生産用大豆におけるサビ病の大発生は、2005年以降認められている。サビ病は毎年、中央部の大豆生産地域へと拡大している。2007年には、アイオワ、イリノイおよびミズーリなど19州でサビ病が確認された。しかし、サビ病は、大豆の収量あるいは成分が影響を受ける時期より後の、シーズンの終わりに確認された。大部分の州では、サビ病による損失を減少させるための殺菌剤の使用は不要であった。サビ病に対する殺菌剤の使用が推奨されたのは、フロリダ、ミシシッピ、ルイジアナ、アーカンソーおよびオクラホマのみであった。これらの諸州では、殺菌剤を用いたサビ病の制圧により、病気による生産量の損失は極めて低いレベルに抑えられた。中央部の大豆生産地域の生産者は、サビ病の危険性およびサビ病の管理に対する高い認識を持っているが、将来の大規模なサビ病の感染とそれに対する殺菌剤の使用は、あったとしても稀であろうと現在は考えられている。

参照

National Agricultural Statistics Service. 2007. http://usda.mannlib.cornell.edu/usda/current/CropProd/CropProd-10-12-2007.pdf より入手可能(2007年11月7日検証)。USDA-NASS, Washington, DC.

Federal Grain Inspection Service. 2004. Test Weight. In Grain Inspection Handbook II (Chapter 10). Washington DC: USDA-GIPSA-FGIS.

Charts & Tables attached

 
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