ASAニュースリリース − 「アメリカ大豆協会は、米国内でアジア大豆さび病が確認されたことについて生産者に警告」   2004/11/10

アメリカ大豆協会(ASA)本部(セントルイス、ミズーリ州)は、米国農務省(USDA)動植物衛生検査局(APHIS)から、アジア大豆さび菌(Phakopsora pachyrhizi)がルイジアナ州バトンルージュ近くの2つの研究用圃場で採集された大豆の葉のサンプルから検出されたことを確認したとの通知を受け取った。

ASAのNeal Bredehoeft会長は、「大豆さび病による潜在的な収量損失は植物が成熟段階に入るに従って減少するので、一年のこの時期には米国の多くの地域で大豆が既に完熟段階に入っているので、大豆さび病が今年の収穫物の収量を減らすことはないであろう」と述べた。(以下「」はBredehoeftのコメント)

大豆さび病は大豆生産者と関連業界に多大な収穫物の損失、及び、経済的損害をもたらす可能性を有している。大豆さび病は人間や動物の健康上リスクとはならない。大豆さび病は大豆の葉を攻撃するので、葉が早い時期に落ちてしまい、それによって鞘がきちんと付かず、収量が低下する。大豆さび病に侵されて宿主となった植物には小さな病斑ができ、それが徐々に大きくなってグレーから茶に変色する。病斑ができてから葉が落ちるのに時間は掛からない。その結果、鞘の数が減り、鞘1つに入る種子の数が減り、種子重量も軽くなり、植物は早く熟してしまう。

APHISの大豆さび病評価チームは確認後24時間以内にサンプルが採集された場所に出向くことになっている。同州がAPHISのチームが到着するまで陽性反応が確認された畑を閉鎖し誰も中に入れないようにすることが重要である。しかしながら、近隣の畑に大豆さび病の徴候がないかを調べるべきであり、州当局が率先してこれを行うべきである。

「さび菌に耐性、抵抗性のある大豆品種は今のところなく、研究は行われているが、そのような品種ができるのは5年から10年先の話である。今のところ、殺菌剤処理が胞子の拡散を減らすことにより大豆さび病を食い止める唯一のオプションであり、他国では殺菌剤の使用で、大豆さび病による収量損失を経済的閾値以下に抑えて効果をあげている。」

もし大豆さび病が米国の大豆生産地域に蔓延すれば、大豆生産者と関連産業に多大な収穫物の、そして経済的な損失が出る。さび病に侵された大豆生産地域から戻った、あるいは同地域からの訪問者をもてなす生産者は、この病害が自分の畑に持ち込まれないように十二分に注意すべきである。
発生地域近くの生産者は、所有する畑を見回って大豆さび病の徴候が見られないかを調べる必要がある。調査は、畑内の大豆や畑の近くの他の宿主となる植物を徹底的に目で調べて行う。20倍の虫眼鏡が必要で、これを使って、作物の葉の重なりの下層の方の低い位置に付いている葉の裏側を調べて、粉状の黄褐色か薄茶色の小さな膿疱がないかを調べる。

環境が菌にとって好ましいものであれば、大豆が実って鞘を付けるにつれて感染は急速に進み、植物の中間あたり、あるいは上の方の葉がかなりの率で感染する。大豆さび菌は湿り気や湿度が高く穏やかな気温である場合に繁殖する。ひどく感染が進んだ畑では層になった葉の中や上の方に雲のようになった胞子が見られる。感染がひどくなった畑は黄色あるいは茶色に見えるようになる。
「この病害は1つの畑から他の畑へと簡単に広がる上に、環境にもよりますが、感染してから約10日間は症状が表れないので、大豆さび病に感染した畑の近くにある大豆畑を持つ生産者は、ある程度の感染が自分の畑で起こっていると仮定すべきである。」

作付けが遅かったためにあまり熟しておらず、そこで大豆さび病が発見された場合には、生産者は州のエクステンション・スペシャリスト、作物アドバイザー、あるいは地元の農産物ディーラーに連絡を取り、どの殺菌剤が良いかの推薦並びに、塗布方法を教えてもらい、さび菌胞子の拡散を減らすようにすべきである。

さび病に侵されていない近隣の畑では、生産者は防御策を取るかどうかを決める必要があるが、栽培シーズンが終わりに近づいている現在では、鞘が付いた後で殺菌剤を使っても今年の収穫物に関して経済的利点は殆ど望めない。

大豆さび病には、様々な他のマメ科植物を侵して、それらを感染のための保有宿主として使い、冬を越す力がある。自然界には大豆さび病の宿主となると報告されている植物が大豆のほかに100種以上ある。米国内で広く見られる宿主の一つがクズである。ブラジルで起こったことと同様に、クズが大豆さびの保有宿主となる可能性は非常に高い。

「次の成長シーズン中に病害が発生するリスクは、米国南部でどれくらい早期に大豆さびが姿を現すか、そして大豆さび菌胞子拡散を促進するような天候状況がどれほど早く広がるかに左右される。」