2006.05.08

 法律と行政命令がバイオ・デイーゼル燃料増産に拍車

 

全米バイオ・デイーゼル協会(NBB)によれば米国の2005年度バイオ・デイーゼル燃料生産は2004年度の3倍に上る7500万ガロンに達すると予想される。2006年度にはNBBはその使用量が1.5億ガロンに増加すると予想している。

 

また一方、特に昨年のエネルギー法案可決を受けて法律と行政命令がバイオ・デイーゼル燃料市場に弾みをつけている。ミネソタ州はまだその計画が順調に立ち上がってはいないもののデイーゼル燃料に2%以上のバイオ・デイーゼル含有を義務付ける全米で最初の州となった。イリノイ州のロッド・ブラゴジェビッチ知事は7月に州政府、郡や各自治体、学区、大学、短期大学および公共交通機関に対し2%バイオ・デイーゼル混入したデイーゼル燃料の使用を義務付ける法律に署名した。ニューヨーク州は9月にバイオ・デイーゼルとエタノール生産者に対する税額還付を認める法律を可決した。

 

業界動向についてはルイス・ドレイフス・アグリカルチャー・インダストリーズが年間生産能力8000万ガロン超のバイオ・デイーゼル燃料工場をインデイアナ州北部に建設する計画を発表した。完成時には米国最大のバイオ・デイーゼル生産工場になると期待されている。ルイス・ドレイフスによれば同社はまず年間処理能力5000万ブッシェルの大豆処理工場を建設し、引き続きフォート・ウエインとサウス・ベンドのほぼ中間に位置するインデイアナ州のクレイプール近郊にバイオ・デイーゼル燃料工場の建設を進める予定である。インデイアナ州は全米4番目の大豆生産州である。

 

一方、アーチャー・ダニエルス・ミッドランド(ADM)も現存のノース・ダコタ州ベルバのADM搾油施設の近くに同社にとり最初の100%所有となる年産5000万ガロンのバイオ・デイーゼル燃料工場を建設する計画を発表した。



 上院が農業援助一括法案を承認

 

米上院は5月4日農業生産者、畜産業者を対象とした災害援助に40億ドルの支出を認める緊急補正予算案を承認したがこの法案はブッシュ大統領の拒否権行使も含めた強硬な反対に直面している。これはイラク戦費を賄い、ハリケーン・カトリーナ被害の救済に向けた多額の支出法案に追加されたものである。ブッシュ政権は先週、多くの穀物で昨年最高記録、あるいは最高記録に近い収穫があったことから法案に盛られた援助水準は「過剰」と述べた。

 

本法案により全米の農業生産者、畜産業者に対し旱魃、洪水、病害およびその他の災害による近年の損失が弁済されることになろう。さらに本法案にはエネルギー支出高騰を受けて多くの農業生産者を対象に現在の連邦補助金を増額することも盛り込まれることになろう。

 

一方、ジム・タレント(共和党・ミズーリ州)とブランチ・リンカーン(民主党・アーカンソー州)両上院議員は先週、多角的貿易交渉ドーハ・ラウンドが終了するまで2002年の農業法案条項を延長する法案提出(S2696)を行った。上院農業委員会のメンバーである両議員は現存の法案を延長し、世界貿易規定が締結されるまで新たな農業法案を策定しないことを支持すると述べた。両議員の提案が可決されればドーハ・ラウンドの交渉継続中は2002年農業法案が有効に存続するだけでなく、議会がドーハ・ラウンドの合意事項を実施する法案を承認した後も最低1穀物年は現在の農業法案の条項が有効なものとして機能することになる。

 

タレント議員によれば「WTOで公平な合意が出来るまで農業法案を延長することが米国の貿易相手国に対し「見返りに彼らが真正、かつ意味のある改革を行う保証が無ければ米国には自国の農業生産者・畜産業者への保護措置を一方的に撤廃する意思が無い」とのシグナルを送ることになる。同議員は議会が延長提案を本会期中に審議するよう期待すると付言した。

 

リンカーン議員は「WTOの貿易相手国が世界農業貿易の面で不均衡を是正するとの米国の公約に少なくとも同調するまでは米国の農業生産者は非常に不利な状況に置かれることになる。世界貿易規定が締結されるまで米国の現在の農業政策を延長することが経済および国家保障の観点からもっとも国益に適う」と述べた。



 ブラジルは2005−06年の大豆収穫高を5520万トンと予想

 

ブラジル農業省は先週、同国の2005−06年の大豆生産量予想を前回予想よりも低い5520万トンと発表したが、これはマト・グロッソの生産見通しが現在1650万トンに落ち込んだことが主因となっている。昨年、同省は5月に同国の大豆生産を5020万トンと予想していた。また同省は2004−05年の収穫高を5140万トンと見込んでいる。しかし市場は輸出や処理データに基づき2004−05年の収穫高を5300から5400万トンと見込んでいる。

 

関連ニュースとしてブラジル大豆生産者は政府に財政援助の必要を訴える抗議行動を展開してきた。販売量の減少、増加する負債および過去最高水準となる世界大豆在庫によりブラジルの大豆産業は悪影響を受けている。

 

生産者は港までの大豆の輸送費を一部相殺するためにブラジル通貨の対ドル切り下げを求めている。また借入金返済を最長10年間延長することも要求している。政府は最近農業救済措置を発表したが借入金返済の延長期間は約1年間のみとなっている。

 


 USDAがアルゼンチンの記録的作付けの理由を説明

 

USDAはアルゼンチンの2005−06年大豆生産を過去最高となる4050万トンと予想している。収穫面積も過去最高となる1520万ヘクタールになると見込まれる。しかしUSDAは収量についてはヘクタール当り2.66トンとほぼ5年間の平均値になろうと述べた。

 

USDAは大豆作付面積の増加には3つの要因があると述べている。バイオテクノロジー、不耕起栽培及び現在気候サイクルが高湿気状態に入っていることである。まずバイオテクノロジーの進歩が大豆生産サイクルを短縮化し、以前は栽培期に一毛作しか出来なかった地域で二毛作が可能となっている。さらにUSDAによれば不耕起栽培技術で以前は農耕に不適だった例えば北部や西部の新規開拓地域での収穫も可能となった。第三の要因は気候サイクルが農業に良好に作用する高湿度状態に入っているため、一般的に多くの地域で降雨量が増えていることである。

 

一方、栽培期間の短い大豆やラウンドアップ・レデイー技術を含む種子関連技術が総作付面積において大豆が大きな比率を占める主要な理由となっている。またこの技術により大豆が他の穀物に比べ高収益を上げられるようになったとUSDAは述べている。


 

 大豆コンプレックスは価格がコーン、小麦およびエネルギー市場に追従し概ね安値引け

 

大豆コンプレックスは5月4日、コーン、小麦およびエネルギー市場と同様、大豆価格が下落したため概ね安く引けた。エネルギー価格の低下と油/ミール・スプレッドの広がり圧力を受けてコンプレックスでは大豆油先物価格の下落が最も大きかった。5月豆先物は$0.73下げて$217.06;7月物は$0.64下げて$221.84;8月物は$0.92下げて$223.77で終了した。5月ミールは$1.43上げて$194.67;7月物は$0.44上げて$195.44;8月物は$0.77上げて$197.09で引けた。5月油は$9.04下げて$549.83;7月物も$9.04下げて$557.98;8月物は$8.82下げて$562.17で終了した。

 

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